|おわりに|
 最近は毎朝、通勤の途中、駅の売店で英字新聞を買うようになった。ちょっと前までは想像もできなかったことだ。勿論、英字新聞を読んで、その時、スッと理解できる記事はわずかだ。理解できるのは、前の日の夜とか、当日、出勤前に見たテレビのニュースなど、内容を知っている記事である。分からない単語は、想像しながらでも、何とか理解できる。スポーツ、天気予報なども、慣れてくると、大体、分かるようになってくるから不思議だ。
 しかし、海外での出来事に関する記事など、前提になる情報を全く持っていない記事は、単語を知っていても、熟語とか、慣用句とか、新聞独特の言い回しなどを知らないと、学生時代に覚えた単語の意味や語学力では、内容が把握できず、分かった気持ちにならない。
 そんな時、最近、便利で、使いやすい色々な電子辞書が販売されているのを知った。早速、気に入った辞書を買い込んで、いつも、持ち歩いているが、これがまた便利で、英字新聞を読むときの心強いパートナーである。
 本書の前に出版した「英語でインターネット講習会を開いてみよう!」を使って講習会を開いているが、その中で、ネイティブの英語教師による英語でのゲームや、英会話の入門になる楽しい会話の練習は、英語アレルギーを、少しずつ自然に無くしてくれた。
 そうこうしているうちに、仕事が変わって、急にビジネス英語が必要になった。英会話と英文を読み書きする……そうなると真剣になる。環境が変わると気持ちも変わる。勝手なものである。
 何でもそうだが、「習うより慣れろ」と言われる通りで、英語での会議も、分かる単語があるな……というレベルから、回数を重ねると、相手の説明が分かってくるから不思議である。勿論、これは、聞く方でのことで、話す方はその後に力がつくようである。英字新聞も、その気持ちになって、とにかく毎日読む習慣をつけることが、一番の早道のようである。
 この本は、英語などにはまったく縁がない、今更、できるはずがないと思っていた人達が、英字新聞にチャレンジした話を集めた形になっています。皆、それぞれ違った人生を歩んでいます。読者の皆さんも、それぞれに、共感を持つところがあればと、願っております。
 貴方も、ご自分の興味のある記事を探して、とにかく、この本の問題に、チャレンジなさることをお勧めします。そして、ご自分で、このような問題を作ってみると、より一層、英字新聞を読むことに興味を持たれることと思います。(省略)
今井恒雄・記
 
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