|はじめに|

序 文
 総合馬術競技に関する著作の出版は非常によい論議の先鞭となる.隣国イギリスで大変盛んなこのスポーツはわが国においては,今なおあまりにも目立たない存在である.極めて総合的なスポーツ馬術を成功に導くためには,選手であると同時に馬術家でなければならないこの華やかな種目の発展に,このパトリック・ガルウの本が寄与することを強く願っている.

 パトリック・ガルウは,今なお経験を重視しすぎる伝統と縁を切り,この種目に科学的にアプローチすることを提案している.スポーツ界で信頼されるこの若い著者(1989年ヨーロッパ選手権大会のフランスチームのメンバーの1人)は国立馬術学校(Ecole Nationale d'Equitation)の馬術研究室長の職務も果たしている.

 この著書は,スポーツの分野において,成績のレベル・アップにつながる新しい研究の流れに沿うことで,青年・スポーツ政務次官事務局の設立に貢献したことを示している.このような歩みは,この著作物の大部分を選手の身体的準備に捧げることによって,個性的な運動選手を完全な資格をもつスポーツマンとみなし,総合馬術競技で打ち立てられたこれまでの伝統に一石を投じている.
                 ジャン・リュック・レマンヌ
                   国立馬術学校 校長

 
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