|はじめに|

序 文
 ジョージの最新の“ハンターシート馬術”改訂版の序文を依頼された時に,準備のためその過去の版を含めて文章を再読し,写真を見渡しました.この本がハウツー本であるという事実は置いておいて,私にとってこの本を読むことは家族のアルバムを見ているようなものでした.写真が出ているほとんどの人々は,私がジョージのもとで乗っている際に一緒に育ってきた者たちだったからです.一枚一枚の写真が,騎手として,ホースマンとして,また人間としての私の成長を思い起こさせてくれました.さらに重要なことに,この本は私に,ジョージがいかにその全ての教え子たちに深い影響―乗馬というものを超越した影響―を与えてきたかを思い出させてくれました.彼が与えてくれるのは,努力,規律,成功,そして明快な原理に立脚した揺らぐことのない信念を要求する“人生の生き方”そのものです.
 もしビンス・ランバルディー(アメリカンフットボールの伝説的な名コーチ,1913−1970)が馬術のコーチだったなら,彼はおそらく壁に鋲で留められたブルーリボンの数によってトレーニングシステムの功績を評価したことでしょう.1980年代に,初代のジョージの教え子たちはライダーとしてのみならず,ホースマン・ホースウーマンとして円熟に達し,彼らは国際競技に溢れ出ていきました.その後の10年間は,歴史の中で初めてアメリカ合衆国がショージャンピングにおいてリーダーとなり,改革者となった時期と言えるでしょう.
 オリンピックや,ワールド・チャンピオンシップのメダルや,栄誉を称えるワールドカップタイトルをもつアメリカ人のライダーたちの多くは,最初の2冊の本では若い生徒として登場し,最新版では実績をあげたベテランとして登場しています.間違いなく,この事実がこのテキストの信頼性の証明なのです.しかしそれ以上に,このことはジョージの才能,愛,そして乗馬および教育への熱意が,私のような現在天職としての情熱を楽しんでいる多くの野心的な騎手とコーチの出発点となってきたことを強調しています.ジョージが感じるに違いない誇りと満足感はそれらすべての父としてのものであろうと私は想像します.
 全ての人々の人生において,永遠に私たちを向上させ,変えてくれる能力をもっている人々が存在します.ジョージは私の人生においてそうした人々のひとりです.25年の間,彼は私のメンターであり,両親であり,友人でした.私は,私が彼のもとで学んだということのみならず,彼がその分野において若い青年から伝説へと成長していくのを見ることができたことをこのうえない名誉と思っています.
 種は散りばめられました.そして私は,彼の教え子であり未来である我々が,彼が設定してくれた基準に沿えることを心から願っています.
                 ―コンラッド・ホムフェルド

 
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