まえがき iii
第一部 道徳論の社会学的地平とモダニティ
序章 道徳回帰の理論的布置 2
一 道徳的問題関心のリバイバル 2
二 善と正義と共同体 4
三 道徳とアイデンティティ 9
四 バウマンとポストモダン倫理 13
第一章 道徳論のルーマンとハバーマス 27
一 道徳論のルーマン 27
1 社会学的道徳理論 27
2 道徳コードと相互浸透 28
3 リスク社会の道徳 33
4 モラルによる統合の断念 37
二 ハバーマスの討議倫理学 41
1 道徳の討議理論 42
2 道徳段階と正義の問題 44
3 モラルとエティック 47
第二章 道徳論の地平と近代 57
一 道徳と社会 57
1 「社会」という問題 57
2 社会と個人を結ぶこと 60
3 社会と個人を〈切る〉こと 63
二 「道徳」という構想 64
1 複雑性縮減の定点 64
2 道徳の近代 66
三 道徳の秋 70
1 道徳の脱社会化 70
2 道徳の物語 74
第二部 公共性の理論と構造
第三章 公共性概念とモダニティ 88
序 88
1 新しい公共性論の要請 88
2 「大きな物語」と公共性 89
3 問題領域としての公共性 90
一 公共性と社会システム 91
1 「市民的公共性」という範型 91
2 「生活世界の植民地化」と「自律的公共性」 92
3 「アソシエーション関係」と「新しい社会運動」 93
4 「統治不能」と「中心のない社会」 94
二 中心化の思想を超えて―合意モデルからの離脱― 96
1 合意としての公共性 96
2 再中心化による物語の修復 96
3 政治的公共性とコントロールの思想 97
三 複合社会の公共空間 98
1 「新しい社会運動」とアイデンティティ 98
2 集合的アイデンティティと「公共空間」 100
3 「新しい社会運動」の展望 102
四 主体化の思想を超えて―アイデンティティ・モデルからの離脱― 103
五 新たな公共空間の可能性 105
1 リスク社会のシステム 107
2 〈機能的連帯〉と公共空間 108
第四章 公共性論の構図と共同性 116
一 公共性論の構図 117
1 政治的公共性論 117
2 私化論的公共性論 122
3 情報論的公共性論 126
二 対照性と布置連関 129
1 場と対立項 129
2 共存、合意、演技 130
3 公共性論の独占と変容 132
三 非営利セクター論―国家、市場、共同体― 134
四 公共性と共同性 138
1 公共性概念の変遷 138
2 共同性概念 140
3 微分される「公」 144
第三部 社会学と規範主義的理論構成
第五章 デュルケームからパーソンズを経てハバーマスとルーマンへ 152
一 二つのデュルケーム論 152
1 ハバーマスのデュルケーム評価 152
2 デュルケーム道徳論に対するルーマンの保留 158
二 パーソンズ受容と規範 162
1 ハバーマスのパーソンズ受容 163
2 行為概念と価値の物象化 164
3 価値論とシステム論 167
4 平準化批判と近代化論 170
5 規範主義の継承 172
三 規範主義からの離脱―ギデンズ、グルドナー、ルーマン― 173
第六章 「大きな物語」なき後の社会学とシステム理論 182
1 ポストモダニティの社会学 182
2 共有価値からコンセンサスへ 184
3 「ノーマルなものは不確実である」 187
4 モダンと規範的秩序 189
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