|はじめに|


  日本の食生活は豊食時代から飽食時代へと言われるほど豊かになり、世界各国の中でも驚異的なほど、あらゆる食品が出回り豊かな食生活を送っている。また、近年、生活習慣病に対する食品摂取の問題や機能性食品が注目されるようになって、益々、原材料の食品や加工食品に対する関心が高まり、特に、食品の安心・安全が問題となり食品の加工に対する知識と認識が必要となっている。
 しかしながら、加工食品が原材料からどのような工程で生産されているか知られていないのが現状である。
 一般的に原材料を処理することを加工といい、その製品に保存性を持たせた場合を加工食品という。また、原材料や加工した食品に処理を施して食す場合を調理あるいは調理食品と呼んで区別している。
 私達が日常的に利用している食品のほとんどが加工食品であるため、加工食品に対する基礎原理を理解することは重要である。また、実際に加工食品を作ることによって理解度が増し食生活はより楽しく感じると思われる。このテキストは家庭で使用している調理器具を用いて、簡単に作ることができる加工食品を多く集め、自分で作る楽しみを感じさせる内容に編纂してある。実習・実験を伴うため、ある程度の機器類や実験器具が必要になるため、すべて家庭で製造することは不可能である。しかし、一読すれば誰もが理解できるような内容に記載してある。
 わが国は四季に恵まれているため、豊富な農水産物の原材料が入手できるだけでなく、科学技術の発達に伴い四季に関わりなく原材料の入手が可能となっている。また、世界各国から様々な原材料を輸入して供給している。この実習を通じて、食品並びにその加工食品に対する認識を身に着けて戴きたいと考えている。
 この実習書は主に栄養士養成施設校の大学および短期大学ならびに調理師課程の調理実習にも適応できるように記載した。この実習書を使用して加工食品に対する知識と認識が高まることを願っている。なお、本テキストを使用した諸氏のご批判を戴ければ幸いである。
                      著者一同

 
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