|はじめに|


 近年,地球温暖化,廃棄物処理等の環境問題が深刻化していますが,食品産業においても食品廃棄物の減量化・リサイクルの促進等の環境対策の確立が緊急の課題となっています.
 特に,食品産業の製造段階では,多様で有用な未利用原料等の発生や微生物の活性利用等の行程が含まれる等,資源・エネルギーの有効利用の可能性が高いにもかかわらず,その再利用技術が確立されていないことが環境対策の推進上大きな問題となっています.
 このようなことから,本技術研究組合の生物活性事業部会は,平成 7 年度から農林水産省の指導,助成のもとに食品製造,機械装置メーカー等の 16 社による幅広い業種の技術力を結集して,大学,国立試験研究機関の学識経験者の指導,助言を得ながら未利用食品素材からの調味料化,飼料化・コンポスト化,糖類素材・乳酸化合物・生分解性食品包装材の生産技術や環境負荷低減型の食品加工技術等の 13 課題について研究開発事業を実施して参りました.
 このたび,約 4 年間にわたる各組合員の研究成果を公開発表し,その集大成ともいうべき論文集を刊行することになりました.
 本書は,組合員の研究課題ごとの研究成果はもとより,本研究にご指導,ご助言を賜りました学識経験者の諸先生の特別寄稿論文の執筆も頂いて,再資源化技術の基礎的技術から応用化・実用化までの幅広い知見を集約した貴重な論文集となっています.
 本書が,今後の食品産業における再資源化技術の開発向上の一助となれば誠に幸甚と考える次第であります.
(以下省略)
    平成 11 年 11 月

 
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