|はじめに|
 1988 年の初版出版以来,本書は日本国中の多くの大学で教科書として採用され,1992 年には改訂版を出版するはこびとなった.
 改訂版も毎年 700冊 程度が購入され,著者にとっては望外の喜びであった.
 この間,多くの読者の方から,誤った記述の指摘や,わかりにくい表現の指摘など,旧版に関する多くの貴重なご意見を頂いた.
 最近の 10 年以上,海洋をめぐっては WOCE(World Ocean Circulation Experiment,世界海洋循環実験計画)や IGBP(International Geosphere Biosphere Problem,地球圏−生物圏国際協同研究計画)など,いくつかの国際協同研究が行われて,多くの事柄が明らかになってきた.
 さらに地球温暖化に対する海洋の果たす重要性についても認識されてきたが,海洋そのものには未だ多くの不明の事柄が残っている.
 私自身も,1993〜1998 年の 6 年間 IGBP / LOICZ(Land-Ocean Interac-tion in the Coastal Zone,沿岸域の陸域・海域相互作用)の科学運営委員会の一員として,国際プロジェクトの立案・推進に直接関わって,多くの事柄を学ぶとともに,1997 年には 23 年間勤務した愛媛大学から九州大学に転勤し,現在新たな気持で沿岸海洋研究に取り組んでいる.
 海を知りたいと思う人,特にこれから海洋学を志す若い人に,最新の系統だった海洋学の知識を伝えるために,今回,旧版の全面的な改訂を行って,新たに「海の科学−海洋学入門〔第二版〕」として上梓することとした.
 本書が,旧版にも増して多くの読者を得ること,本書を読んだ多くの若者が海洋学を志して,次代を担ってくれることを期待する次第である.
2000 年初夏

  −第3版あとがき−
 (略)
 第2版出版以降,計算機容量の増大と海洋観測機器の進歩によって,海洋学は大きくその姿を変え,現在はオペレーショナル海洋学の時代に入った.そのため,今回第3版として,新たに第13章を加えた.
 (略) 2010年初夏
 
ウィンドウを閉じる