|目 次|
巻頭言(安住 祥) i
はじめに(高橋清孝・細谷和海) iii

1章 断罪されたブラックバス 1
1・1 ブラックバスはなぜ悪いのか(細谷和海) 3
1.外来魚とは 3
2.外来魚がもたらす弊害 5
3.原風景の消失 7
4.バス釣りを考える 11

1・2 外来生物法とオオクチバス─特定外来生物の指定をめぐって─(中井克樹) 13
1.外来生物法制定の背景 13
2.代表的な外来生物:マングースとアライグマ 14
3.外来生物としてのブラックバス 15
4.特定外来生物指定に反対する勢力 17
5.急転直下の特定外来生物指定 19
6.外来生物法の施行とオオクチバス対策の今後 20
7.終わりに 24

2章 拡がるブラックバス被害
27
2・1 オオクチバスが魚類群集に与える影響(高橋清孝) 29
1.漁獲量の推移 29
2.魚種組成と全長組成の変化 30
3.バス稚魚の出現とその食性 32
4.コイ科魚類における稚魚の減少と資源水準の低下 33
5.タナゴ類の減少 34
6.モツゴの減少 34
7.そのほかの魚の減少 34
8.増加した魚 35
9.対  策 35

2・2 オオクチバスが水鳥群集に与える影響(嶋田哲郎) 37
1.調査地および調査方法 37
2.水鳥類の個体数の経年変化 38
3.大きく減少した水鳥類─カイツブリ,コサギ,ミコアイサ 38
4.コサギの減少 40
5.カイツブリの減少 41

2・3 伊豆沼・内沼におけるゼニタナゴと二枚貝の生息現況(進東健太郎) 43
1.ゼニタナゴの産卵状況 43
2.二枚貝の減少 45
3.伊豆沼・内沼ゼニタナゴ復元プロジェクト 46

2・4 ブラックバスの脅威にさらされる全国20万個のため池(坂本 啓,佐藤豪一, 安部 寛,浅野 功,根元信一,五十嵐義雄,高橋清孝) 48
1.ため池の現状 48
2.ため池の役割 51
3.ため池の今後 52

2・5 河川へ拡大するブラックバス汚染(須藤篤史・高橋清孝) 53
1.七つ森湖におけるブラックバスの生態と魚類相への影響について 53
2.河川へのブラックバス生息域拡大の実態 58
3.河川におけるブラックバスの繁殖 59
4.対  策 61

3章 ブラックバス駆除の方法と体制づくり 65
3・1 駆除方法(細谷和海) 67
1.駆除計画 67  
2.駆除の実例 68
3.駆除の課題と技術開発 74

3・2 伊豆沼方式バス駆除方法の開発と実際
(高橋清孝) 77
1.繁殖阻止方法の開発 77
2.伊豆沼方式バス駆除の実際 80
3.市民レベルの取り組みの必要性 85

3・3 バス・バスターズの取り組み(進東健太郎・嶋田哲郎) 87
1.活動の開始 87
2.駆除開始 88
3.参加者について 89

3・4 伊豆沼におけるバス駆除とその効果(小畑千賀志) 90
1.2004年度のバス駆除取組状況 90
2.小型定置網を用いた「バス中・大型魚の駆除」 92
3.バス駆除の効果 94
4.今後の課題 94

3・5 市民団体はこのようにして結成された─誰でもできる自然再生をめざす技術開発と体制づくり─(高橋清孝) 95
1.池干しの実施 97
2.池干しの手続き 99
3.シナイモツゴの里親募集 99
4.伊豆沼バス・バスターズの結成 100
5.活動を継続するために 101
<資料> 特別採捕許可申請の手続き 103

4章 市民による自然再生 107
4・1 シナイモツゴの保全への模索─長野県のシナイモツゴを例に─ (高田啓介・小西 繭) 109
1.シナイモツゴとモツゴの形態・生態・分布の特徴 109
2.長野県内の両種の勢力分布と多様性 110
3.交雑と種の置き換わり 111
4.長野県におけるシナイモツゴ保全への取り組みと展望 113

4・2 シナイモツゴの保護とため池の自然再生
(大浦 實・渡辺喜夫・三浦一雄・鈴木康文・遠藤富男・二宮景喜・佐藤孝三・石井洋子・坂本 啓・高橋清孝) 117
1.里山で60年ぶりに再発見されたシナイモツゴ 117
2.オオクチバスの侵入と郷の会の結成 118
3.市民によって始まったバス掃討作戦 118
4.シナイモツゴの人工繁殖 119
5.稚魚の飼育 121
6.里親第一号の飼育記録 121
7.シナイモツゴ生息池の拡大 123
8.里親の募集 123
9.自然再生を目指して 125
<資料> シナイモツゴ里親制度規約 126

4・3 ゼニタナゴの復元
(高橋清孝・進東健太郎・藤本泰文) 128
1.宮城県のゼニタナゴ生息状況 128
2.ゼニタナゴの移殖 129
3.ゼニタナゴ救出作戦 130
4.ため池の積極的利用 131
5.放流と管理上の留意点 132

4・4 よみがえれ水辺の自然
(細谷 和海) 133
1.淡水魚はどのくらい減ったのか 133
2.淡水魚はなぜ減ったのか 135
3.淡水魚の価値 137
4.ブラックバス駆除後の淡水魚再生に向けて 139
5.淡水魚の保護の方法 141
6.田んぼの生き物を守る 142

索  引 145
あとがき(細谷和海・高橋清孝) 151
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