|第二版あとがき|

 本書の初版が世に出たのは 1989 年のことである.出版後,本書はいくつかの大学や大学院で教科書として使われ,多くの読者から計算式や内容の誤りをご指摘頂いた.そして,誤りを訂正し,いくつかの新しい知見を書き加えて,1994 年には本書の改訂版が出版された.  その後,思いがけなく,著者は 1997 年に,23 年間勤めた愛媛大学から九州大学に転任となり,沿岸海洋学という講義を学部学生に行う機会を失った.しかし,1999 年には本書の姉妹版ともいえる「Coastal Oceanography」を Kluwer Publisher から出版することができ,海外の読者からもいくつかのコメントを頂いた.  今回,本書の第 2 版を出版することとなり,いくつかの箇所を改訂したが,基本的には改訂版とほとんど同じである.その理由は本書の主な内容である沿岸海洋の物理過程に関して基礎知識がほぼ確立しているからである.  著者の九州大学での研究は,本書の最後に書いたとおり,正確な物理過程への理解をもとに,精度のよい数値生態系モデルの構築が主な柱となっている.物理過程のみならず,化学・生物過程も含めた沿岸海況予報の確立に向け,さらに研究に励みたいと思っている.(以下省略)


著  者

 
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