第1編 サキグロタマツメタとは?
1章 絶滅寸前,外来移入,食害生物−3つの顔をもつ貝(大越健嗣)
1-1 絶滅寸前の日本在来のサキグロタマツメタ
1-2 サキグロタマツメタは外来移入種
1-3 食害生物となったサキグロタマツメタ
1-4 サキグロタマツメタの分布
1-5 サキグロタマツメタの駆除
コラム 韓国セマングム干拓とサキグロタマツメタ研究(佐藤慎一)
第2編 サキグロタマツメタの生物学
2章 サキグロタマツメタの解剖(土屋光太郎・竹山佳奈)
2-1 軟体部の外部形態
2-2 外套膜
2-3 消化器官
2-4 生殖器官
2-5 中枢神経系
3章 サキグロタマツメタの遺伝子解析(浜口昌巳)
3-1 サキグロタマツメタはどこからきたのか
3-2 遺伝子からサキグロタマツメタの分布拡大を推理する
3-3 今後の課題
4章 成熟と産卵,初期発生と成長(大越健嗣・山内 束)
4-1 秋に干潟に出現する砂茶碗
4-2 産卵(卵塊形成)
4-3 成 熟
4-4 孵出(ハッチアウト)と初期成長
4-5 成長速度の推定
4-6 生殖生態
4-7 今後の展望
5章 捕食・穿孔行動(大越健嗣・大越和加)
5-1 穴をあけられた貝殻の特徴
5-2 穿孔と捕食
5-3 アサリ以外の貝類の捕食
5-4 サキグロタマツメタを捕食する生物
コラム アサリにあけられた穴はなぜ左の殻に多いのか? (佐藤慎一)
6章 フローティング,移動,捕食・被食関係(大越健嗣)
6-1 サキグロタマツメタ分布拡大の謎
6-2 這って移動するサキグロタマツメタ
6-3 フローティングで移動するサキグロタマツメタ
6-4 安定同位体比によるサキグロタマツメタの捕食・被食関係の推定
第3編 サキグロタマツメタの水産学と環境学
7章 食害防除・駆除対策(須藤篤史)
7-1 宮城県のアサリ漁業
7-2 サキグロタマツメタの最初の報告
7-3 潮干狩り場の閉鎖
7-4 宮城県の対応
7-5 駆除対策
7-6 食害防除対策
7-7 現状と反省点
7-8 今後の対応
8章 水産物の移動に紛れて分布を拡大する生物たち(大越和加)
8-1 ホストと共生あるいは寄生関係をもつ非意図的移入種
8-2 輸入水産物への混入−偶発的に移入した非意図的移入種
8-3 外国に移出した生物−マガキとオウウヨウラク
コラム サキグロタマツメタの成分と料理法(大越健嗣)
第4編 外来生物問題の深層
9章 サキグロタマツメタをめぐる法律と国際問題(岩崎敬二)
9-1 サキグロタマツメタは「特定外来生物」ではない
9-2 外来海洋生物がもたらす様々な被害や損害
9-3 4種類の外来生物
9-4 外来海洋生物の移入手段
9-5 外来生物問題に関する条約と海外での法的規制
9-6 日本の外来生物に対する法的規制
9-7 外来海洋生物問題と国際問題
9-8 外来海洋生物の移入の阻止と防除に向けて
10章 サキグロタマツメタが問いかけるもの(大越健嗣)
10-1 トキの絶滅と絶滅寸前のサキグロタマツメタ
10-2 輸入アサリの生物多様性への影響
10-3 なぜ,移入は続きサキグロタマツメタは減らないのか?
10-4 国産アサリという幻想
10-5 JAS法の改正
10-6 現実的対応
10-7 新しい潮干狩りの提案
ショートストーリー サキグロたまちゃんの大冒険(大越健嗣 絵:やす)
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