|はじめに|

  日本水産学会環境保全委員会では,ナホトカ号の事故から7年が経過することになる平成 16 年度大会のシンポジウムにおいて,流出事故による沿岸生態系への直接的影響,流出成分の残留やその回復過程のモニタリング結果を検証し,さらにこれからのベースライン調査の重要性を明らかにすることを目的に本シンポジウムを開催した.
 本シンポジウムは,水産環境保全委員会から提案のシンポジウムとして,平成 16 年 4 月1日に開催されたものである.各話題提供に対して,大変活発な質疑・討論があって,盛会裏に終了することが出来た.シンポジウムの成果をまとめた本書『流出油の海洋生態系への影響−ナホトカ号の事例を中心に−』が流出事故などによる油汚染に備える一助となってくれることを著者・編者らは期待している.
 7 年前の冬の寒い中で,日本海に面した多くの海岸では突然襲ってきた流出油を少しでも取り除くために自治体,自衛隊,地域の住民,さらにはさまざまな場所から援助に駆けつけたボランティアの方々が油にまみれて活動されたことは私どもの目にまだ焼き付いている.これらの活動の写真を口絵に添付し,記憶を新たにしたい.この写真は“Heavy Oil Spilled from Russian Tanker ヤNajhodkaユ in 1997: Towards eco-responsibility, Earth Sence(Editor Kazue Tazaki)”から転載させていただいた.快く転載を認めていただいた金沢大学理学部の田崎和江教授に深謝の意を表します.

以下省略
    平成 17 年 1月
大 和 田 紘 一
小 山 次 朗
広 石 伸 互

 
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