|目 次|

まえがき (林 勇夫・中尾 繁)
I. 漁業資源の餌料生物としてのベントス
1. 海洋生物食物網におけるベントスの地位 (高井則之) 9

§1.瀬戸内海における動物群集の炭素供給源(10) 
§2.懸濁物食性ベントスによる底生微細藻類の摂取機 構(12) §3.着底した底生魚類への炭素供給過程に おけるベントスの役割(16)
§4.生息水深帯による ベントスの炭素供給源の差異(18)

2. クルマエビ養成池での天然餌料としての ベントスの役割 (崎山一孝・齊藤 肇・鈴木 豪) 22
§1.クルマエビの採卵方法(23)
§2.ゴカイ給餌によるエビ類の催熟効果(23) 
§3.素掘り池を利用した親クルマエビの養成(24)
§4.養成池で飼育したクルマエビの成熟(25)
§5.養成池でのクルマエビとベントスの関 係(26) 
§6.天然餌料を利用した親クルマエビの養成(30)

3. 底生魚類の餌生物としてのベントス (西川 潤・園田 武) 32
§1.カレイ類の未成魚を含む魚類群集の季節的な食物構造とマクロベントスとの関係(33)
§2.北海道および東北, 新潟におけるカレイ類未成魚の食性とその餌環境(41)
§3.考察(44)

4. 稚魚の餌料としてのベントスの生産量 (首藤宏幸) 49
§1.ヨコエビの生産過程(49)
§2.アミの生産過程(54) 
§3.成育場における餌の過不足(59)
§4.おわりに(60)


II. ベントスによる漁業被害とその対策
5. 魚類仔稚魚の捕食者としてのベントス (山下 洋・朝日田卓) 62

§1.被食研究の手法(62)
§2.異体類天然仔稚魚に 対する捕食(66) 
§3.ヒラメ放流種苗に対する捕食(67)

6. 漁業生物学から見た貝殻穿孔生物 (大越和加) 71
§1.石灰基質に穿孔する生物と増養殖との関係(71) 
§2.増養殖貝類の貝殻に穿孔する生物(73) 
§3.今後 の取り組みに対する一考(84)


7. 付着生物が垂下養殖ホタテガイの成長に与える影響 (中尾 繁) 87
§1.付着生物量と種組成の季節変化(89)
§2.貝掃除 がホタテガイの成長および付着生物量に与える影響(91) 
§3.付着生物がホタテガイの成長に与える影響(96) 
§4.考察と今後の課題(97)

8. ベントスの異常発生が漁業に与える影響 (上野正博) 101

§1.異常発生とは−−本当に起こっているのか(101)
§2.異常発生の認知と記録(103)
§3.ベントスの異 常発生が引き起こす漁業被害(105) 
§4.対策(106)
§5.異常発生はなぜ起こる(108)


III. 漁業資源としてのベントス
9. ヒメエゾボラの漁業資源としての可能性 (藤永克昭) 113

§1.ヒメエゾボラ漁業の現状と増殖の前提条件(113)
§2.インポセックスの現状(115)
§3.増殖方法(119)
§4.今後の課題(123)

10. ハナサキガニの繁殖生態と資源管理 (佐藤 琢) 126
§1.精子の有限性と精子制限(126) 
§2.大型甲殻類 漁業と精子制限の可能性(127) 
§3.ハナサキガニの 生態と漁獲による精子制限の懸念(128) §4.現行の漁 獲規制によるハナサキガニの個体群構造の改変(129)
§5.ハナサキガニの雄の繁殖能力と精子制限の可能性(130)
§6.ハナサキガニにおける精子の回復速度(132) 
§7.漁獲対象個体群における雄の精子保有量の推移(133)
§8.今後の資源管理における私見(134)


IV. 漁業生物学としてのベントス研究の現状と課題
11. ベントス研究は漁業を発展させられるか? (栗原健夫) 137
§1.ブラックボックスの中より外が重要(138) 
§2.ブラックボックスは簡潔に(140) 
§3.ブラック ボックスは小分けする(143) 
§4.まとめ(144)


12. 養殖の現場がベントス研究に期待するもの (横山 寿) 146
§1.海面養殖がベントス群集に及ぼす影響(146) 
§2.「持続的養殖生産確保法」による底質基準(150) 
§3.ベントスに基づく環境管理と養殖許容量推定(151)
§4.おわりに(156)

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