|はじめに|

 (社)日本水産学会は来る2002年2月に創立70周年を迎えます.1932年に設立されて以来,激しい時代の変遷の中をわが国の水産業を支える専門家集団として活動してきました.そして今,近未来に差し迫った食糧・地球環境問題など,水産学が担うべき多くの課題を抱えながら21世紀を歩み始めました.このような背景の下に,本学会は創立70周年記念事業の柱として国際シンポジウム「新世紀における水産・海洋科学の展望」を本年10月にパシフィコ横浜で開催し,内外研究者の率直な議論を通して,21世紀において水圏に関わる諸科学を如何に展開すべきかを探ることとしました.
 ここに上梓する「英和・和英 水産学用語辞典」はこの記念事業の一環として企画されたものです.因みに,本学会の編集になる最初の「水産学用語辞典」は1989年3月に刊行され,かなり詳細な解説を付した1,600語を収録し,水産学を志す多くの方々の指示を得てきました.この度の新たな用語辞典では趣を異にし,水産学のみならず,関連する海洋学,生物学,生化学,食品学などの諸学問領域から幅広く用語を収集し,必要に応じて簡潔な解説を付すことを基本方針としました.第1回の編集委員会を1997年9月に開催して以来,すでに4年を経過しています.用語の選定には多くの困難を伴いましたが,見出し語は英和・和英が各々約9,800語からなり,さらに巻末には旧水産学用語辞典で好評を博した主要水産動植物名一覧を一層充実した形で掲載しました.ますます情報の国際化が進むなか,本用語辞典が水産業ならびに水産学に携わる皆様に永くご活用いただければ幸いです.学術用語は生きものともいわれます.皆様のご意見をいただきさらなる改良を重ねたいと願っています.
 (後略)

2001年9月
          英和・和英 水産学用語辞典編集委員会
                   委員長 木村 茂

 
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